添削後の原稿をSNSに投稿したら驚きの反応が。「良い文章は読み手の行動変容を起こす」

ゼミ1期生にさとゆみがインタビュー。今回お話を伺ったのは、作家アシスタントやカイロプラクティックサロン経営など、幅広い分野で活躍されている本間友子(ほんまともこ)さん。ライティングを学ぶことになったきっかけや、ゼミに入って感じた変化、今後の目標などを伺いました。


Q1:「ともちん」こと、本間友子(ほんまともこ)さん。初めてともちんとお会いしたのは、私がライティングを担当した著者さんの出版記念トークイベントでしたよね。ふだん、どのようなお仕事をされているか、教えていただけますか?

A1:主に、作家の山﨑拓巳さんのスタッフとして働きつつ、自分でカイロプラクターのサロンを16年経営しています。「セブンポケッツ(7つの収入源を持つこと)を目指すといいよ」というアドバイスがきっかけで、現在は5つの肩書きを持っています。さとゆみさんのビジネスライティングゼミを受講して、これからはライター業も仕事にしたいなと思っています。

Q2:幅広く活躍される中で、ライティングの仕事も加えたいと思ったのは、どういうきかっけでしたか?

A2:昔から本を書ける人になりたい、という夢があったんです。まずは著者さんと仲良くなったら、作家の存在が近くなりそうだな、という理由で中学2年生の時に山﨑拓巳さんにメールを送ったのが、今の仕事に繋がっていますが、文章を書きたい思いはもともと持っていました。

Q3:中学2年生の時に山﨑さんへメールをされたエピソードについて詳しく教えていただけますか?

A3:山﨑さんの処女作『人生はピクニック:ワクワクしながら願いをかなえる49の魔法』という本を読んだのがきっかけでした。この本を教えてくれたのは、通っていた中学校の美術の先生で、「自分は世界で活躍するイラストレーターになる」と夢を語る方でした。地方に住んでいた中学生の私からすると、「『世界に出る』なんて言う先生がいるんだ。おもしろいな」と思って。そのころから私は本が大好きだったので、そんなおもしろい先生がオススメする本を聞いてみたんです。そこで教えてもらった2冊のうち、1冊が山﨑さんの本でした。ただ、当時はおこづかいが少なかったので、自分ではすぐに買えなくて。先生の手元にある本を貸していただいて、この本に出合えました。

Q4:その本を読んで「連絡を取りたい」と思うぐらい惹かれたのは、なぜでしたか?

A4:そのころ自分では言語化できていなかったことの答えが書かれていたんですよね。たとえば、中学校のころ私は卓球に励んでいて、なぜかはわからないけど、強い人と練習したら強くなれるな、と思っていたんです。
そうしたら、山﨑さんの本で「成功する鳥は群れをなして飛ぶ」という言葉と出合って。強い人たちのいる環境へいくと、自分も引き上げられていくから強くなれるのか、と合点がいったんですよね。そんな風に、自分では言語化できなかったことが、クリアになる本でした。

Q5:どうやって連絡先を調べたの?

A5:書籍の著者プロフィール欄にホームページのアドレスが記載されていたので、そこからたどってメールをしました。当時はまだWindows98とか、箱みたいな大きなパソコンを使って、ようやくわが家にもインターネットが来たぞ、というところで。プルルルルって音がして接続するような(笑)。返事を期待して送ったわけではなかったので、山﨑さんからメールが届いたときはとても驚きました。
それから時々メールのやりとりをするようになって、山﨑さんが私の地元の静岡へ出張で来る機会にご連絡をいただいて、そのタイミングで初めてお会いすることになったんです。

Q6:実際に会ってみて、どんな感じでしたか?

A6:すごくカッコよかったです。オレンジジュースをおごってもらいました(笑)。その時は静岡の駅前にあるビジネスホテルで待ち合わせすることになりましたが、中学生だったのでホテルがどんな空間かもわからず、すごく緊張して。大人はホテルで仕事の打ち合わせをするということも知らないし、「どうしよう。これって、怪しい?」と思ったり、「何を着ていったらいいかわからない!」と焦ったり、あたふたしていました(笑)。とりあえず間違いないかなと思って中学校の制服を着ていくことにして、当日は友だちに一緒に来てもらいました。
お店で「何でも頼んでいいよ」と言って渡されたメニューには「オレンジジュース1200円」と書いていて。1冊の本すら買えなかった私は「え、そんな大金持ってない……」って血の気が引きました(笑)。それを山﨑さんも察してくださって、支払いは心配ないと言っていただき、「大人って、すごい!」と感動しました。
私がやっていた卓球のことや、山﨑さんが陸上で全国大会に出場されたご経験など会話も弾んで、その場で山﨑さんに「街中で卓球をする少女たち」みたいなイラストを描いていただいたのを覚えています。ちょうどその頃、山﨑さんは2冊目の本を執筆されているところで、その中で私たちのエピソード)を2ページくらい書いてくださったのも、忘れられません。

Q7:そこから、どのような流れで山﨑さんのもとで働くようになったんですか?

A7:お会いした後もずっとメル友としてやり取りを続けていて。東京の大学へ進学してアルバイトの相談をしたら、山﨑さんの方から「よかったら自分のところで働いてみる?」とお声がけいただいたんです。そんな経緯でバイトを始めてから、はや18年経ちました。

Q8:その18年間は山﨑さんが何十冊と著書を出される様子を間近で見ていたんですよね。いつかは本を書く人になりたいと思っていたそうだけど、その間、ともちんは具体的に何かを書いたり、編集者さんに持ち込みをしたりしていたんですか?

A8:しなかったです。むしろ、自分で書くことはどんどん遠くなっていきました。「私なんかが書いてはいけない」と、思い込んでいたんですよね。山﨑さんがいろんな著者さんと対談されている様子を見たり、打ち合わせにも同席させていただいたりする中で、そんなことは誰からも言われたことはないのに「何かで成果を出さないと、本は出せない」と思うようになっていったんです。
そのうち、書きたい気持ちがどんどん遠のいていって。仕事でお会いした方々の本を読むことが楽しかったし、ほかのことに興味が出てきたということもあり、「書きたい」という気持ちごと、どこかに置いていた感じでした。

Q9:ご自分でサロンも経営しているし、お子さんもまだ1歳でしたよね。忙しい中で、あらためて私のライティングゼミに来てくださった理由は何だったんでしょうか?

A9:受講を決意した理由は、2つあります。子どもが生まれたばかりのころ、宣伝会議でさとゆみさんのライター講座で受講生が募集されていたのを見かけたんですよね。でも、当時は子どもがまだ新生児だったので、今はとても向き合えないな、と思ったんです。そう思った自分にびっくりして、「自分にはまだ書きたい気持ちがあるんだ」と気づいたことが、1つ目。

もう1つは、知人に声をかけてもらって、自分の好きな商品や飲食店について紹介するコラムを書いた経験です。そのときは日本酒を紹介する記事を書いて雑誌に掲載していただきましたが、「自分の文章で、この日本酒を本当に欲しいと思ってもらえるのだろうか?」とふと不安がよぎったんですね。
原稿に誤字脱字さえなければ、そのまま掲載される記事だったので、文章を良くするアドバイスをいただくこともできませんでした。当時の自分なりに精いっぱい書いたつもりでしたけど、自分が思っていることをうまく言語化できなかったという心残りがありました。だから、そのコラムが雑誌に載ったことも、知り合いに話せなかったんです。その経験から、しっかりと人から指導してもらえる環境に身を置こうと改めて思ったんです。

Q10:さとゆみライティングゼミを選んでいただいた理由は何だったんでしょうか? 

A10:さとゆみさんと初めてお会いする前から、連載を読んでいて「こんな文章を書きたい」と、思っていました。そんなとき、kufuraさんでの連載「ママはキミと一緒にオトナになる」の10回目のエッセイで読んだ文章が決定打でした。そのエッセイには、「出産するといろんなことができなくなると思っていたけど、実際に子どもが生まれたら、できることの方が多かった」、という話があって。それを読んだとき、「私はすごくこれが言いたかったの!」と感動したんです。うまく言語化できていなかった自分の思いを、いちばん近い形で言葉にしている文章に触れて、ライティングを習うなら、絶対にさとゆみさんが良いな、と心に決めていたんです。

Q11:なんと、ありがとうございます。ともちんの前向きな育児スタイルは、私も素敵だなと思っていたんですよ。実際ゼミに通ってみて、いかがでしたか? 毎週平日の朝早くから、課題もあってタイトなスケジュールでしたけれど。

A11:すごく良かったです! 特に良かったと思うのは、締め切りがあることの大事さに気づけたことです。「締め切りがあるから、そのときの力を思いっきり出せるんだな」ということを実感しました。それまでは、頭の片隅で「締め切りやゴールを設定して、それに追われることはあまり良くないのでは?」と考えることもありましたが、くり返し期限のある課題に向き合って取り組んだ経験から、やっぱり目標やゴールは必要だということが、身にしみてわかりました。

Q12:ライターは「上手く書けたら出そう」という仕事ではなくて、「時間が来たから出さなきゃ」という仕事なんですよね。文章を書くことは終わりがないから、推敲し続けようと思えばずっとできてしまう。どこかで手放さなくてはいけないけど、その文章で評価が決まってしまうから怖くもありますし。それでも、書いて、手放す。これを繰り返す仕事だな、と私は思っています。そのほかに、何か気づいたことはありましたか?

A12:「取材者の目線を持つ」という学びも活かされています。ゼミを受講してから、自分語りを3~4時間続ける方の話を聞く機会があって(笑)。以前の自分だったら、一方的に相手からの話が延々と続く状況をつまらなく感じていたかもしれません。でも、そのときは「取材者の目線」を意識したので、心から興味を持って耳を傾けることができました。相手の人は強いこだわりをお持ちで、私生活で電球を一切使わない、自分自身をいちばん大事にできるよう目線より高い位置に物を置かない、など斬新なエピソードを聞けて、本当におもしろかったです。

このゼミも、個性豊かなメンバーが集まっていましたよね。この場じゃなかったら出会えないような仲間ができたことも、良かったです。大人になってから受ける講座は属性が似ているよう人たちが集まるイメージでしたけど、年齢も職業も幅広くて。20人以上のゼミ生がいたのに、誰一人としてキャラがかぶっていなかったですよね。良い意味で、新しい図鑑のページを開いたような感じでした。

Q13:図鑑(笑)。私は、ともちんの自己肯定感の高さが、とても素敵だな、と思いましたよ。1期生はライターの人も、ライターじゃない人もいて、本当に多様でしたよね。いろんな話をできて、私も楽しかったです。

A13:それから、講座中にあった「勝つと決める。決めると、投資ができるから勝てる」という話にも、シビれました。今までも「結果を出すには、目標を決める。目標を決めたら実現できる」という話をよく耳にしていて、そのこと自体はなんとなく共感していたけど、「それはどうしてだろう?」と自分の中で疑問が残っていたんですよね。
さとゆみさんがおっしゃっていたのは、「ライターで稼ぐと決めてしまったら、いくらでも時間やお金などを投資して学ぶことができる」ということでしたよね。成功すると決めれば、投資できるし、投資すれば成功できると言われて、とても感銘を受けたんです。周りの人に何度この話をしただろう、というくらい胸を打たれる学びでした。

Q14:うまくいくと決めてしまえば、うまくいくまで辞めないから、結局うまくいくと思っているんです。だから決めることが大切なんですよね。ともちんは、この先はどんな目標を持っていますか?

A14:今すぐじゃなくても、いつかは本を出したいです。ゼミの課題にあった「自分自身が著書になって企画書を出す」をもう一度練って提出して、自分のnoteに書いていきたい。そして、ライターとして書いて収入を得られる経験をしていきたいな、とも思っています。

Q15:ともちんの文章を読んでみたいので、楽しみにしています。たとえば、どういうジャンルで書きたいですか? 向き不向きはやってみるまでわからなくても、宣言しておくことで思い出してもらいやすく、声がかかりやすいですよ。

A15:ひとつは、飲食関係です。食べることも好きですし、とても好きな生産者さんもいるので、そういう方のストーリーや、お店のこだわりなどを書きたいな、と思っています。もうひとつは、自分が打ち込んできた卓球ですね。自分自身がカイロプラティックをやっていることもあるので、健康やスポーツのジャンルで書いてみたいです。

そういえば、ライティングゼミの課題で書いた原稿で、アートメイクサロンをオススメする記事を書いて、さとゆみさんに添削していただきましたよね。その文章を自分のInstagramに投稿したら、それを読んだ10人くらいの方がそのお店へ足を運び、100万円以上の売上に繋がったそうなんです。
ゼミの中で、「良い文章は読み手の行動変容を起こす」、という話を伺いましたが、まさにそれが起きました。以前、日本酒紹介の記事を書いたときはまったく自信がありませんでしたが、このゼミを通じて「文章の力って、本当にすごいな」と心の底から思いました。自分が好きなジャンルや、勧めたいものの良さが伝わる言葉でもっと書けたらすごく楽しいだろうな、と期待が膨らんでいます。

Q16:それは嬉しいなあ。ぜひ、これからも書き続けていってください。最後になりますが、2期生を考えている方にメッセージをいただけますか?

A16:先ほど「勝つと決める」という話にあったとおり、迷っている方は、学ぶと決めて取り組むとすごく良いと思います。このゼミは書くことも勉強になりますし、ライター以外の仕事にも活きる部分が多い講座なので。
私は今の仕事で、プロフィールや、プレスリリースを書く機会があるのですが、以前と比べて、きちんと伝えたいことが伝わる書き方ができるようになりました。ほかにも、相手の相場観を意識すること、発信する内容や順序、進捗をそのときどきで挟んで伝えることなど、書く以外の場面でも役立つ学びがあります。実際に、ゼミを受講してからセミナー講師としてオンライン登壇する機会に、参加した方から「わかりやすい」と言っていただけることが増えました。学ぶことがいっぱいある講座なので、お金と3ヶ月間の時間を捧げる価値がある講座だと思います。


(文・構成/ウサミ)

プロフィール
ともちん(本間友子)

1985年静岡県生まれ。14歳のときに送ったメールが人生を変え、ベストセラー作家山﨑拓巳氏と出逢う。「セブンポケッツ(7つの収入源を持つこと)を目指すといいよ」というアドバイスがきっかけで、現在は5つの肩書きを持つ。「書くこと」を仕事にするために、さとゆみライティングゼミ1期生で受講。卓球とレストランを書くライターになるのが今年の目標!

Twitter @tomo_chin
note :https://note.com/tomo_chin__