「どうせ私なんて」を封印して前向き思考に。書くことにも挑戦できるようになりました

さとゆみビジネスライティングゼミ3期を受講された、「あぶちゃん」こと虻川なつみさん。書くことが好きだった虻川さんは、事務のお仕事から「書く仕事がしたい!」と一念発起して、さとゆみゼミに申し込んだそうです。ゼミの思い出のほか、ポジティブに生まれ変わった秘訣などをさとゆみがインタビューしました。


Q1:自己紹介をお願いします。

A1:虻川なつみです。みんなからは「あぶちゃん」と呼ばれています。

埼玉県出身で、現在は東京で暮らしています。

普段は、個人事業主としてIT関係の会社で事務の仕事をしています。パソコンの手配をしたり、アカウントの発行をしたり、議事録を取ったり、SEさんやプログラマーさんたちのサポートをするような仕事です。

今の会社に勤める前は化粧品会社、その前は物流系の会社で働いていました。商業高校を卒業してすぐに就職したので、今年で社会人歴11年目になります。

Q2:あぶちゃんは、なぜ私のゼミに通ってくれたんでしょう?

A2:端的に言うと、「書く仕事がしたい」と思って応募しました。

コロナ禍になってから、たまたま友人と過去の棚卸しをしたり、人生設計を語り合う機会があったんです。ちょうど人生を見つめ直していて、この先どうしようかと考えていたタイミングでした。それで、友人と話しているうちに、「あー、私、文章書きたい」という気持ちがぽろっと出てきたんです。

元々書くことが好きで、国語の授業で作文を書くことも全く抵抗がありませんでした。書くことだけでなく、読書もすごく好きだったんです。小学生~中学生くらいまでは、本ばかり読んでいました。中学生のときから小説を書いていて、高校生のときは毎日アメブロを更新したり、Twitterが流行りだしてからはツイ廃のように毎日ツイートしたり。社会人になってからは書く時間が減ってしまったけれど、noteのアカウントだけ作って、気が向いたら更新するようにしていました。

でも、私は今までずっと事務職をしてきたので、これから先も事務の仕事しかできないんじゃないかと思っていたんです。ライターになるにはある程度スキルが必要だろうし、事務の仕事で培ってきた経験を手放して、新しいことを1から始めることも、少しビビっていました。けれど、「これからも普通に会社勤めしていたほうがいいんじゃないのかな」という気持ちと、「人生で一回でもやりたいと思ったのならやってみよう」という気持ちを天秤に掛けたら、やってみたい気持ちのほうが勝ちました。

Q3:小説はコンテストに応募したりしていたんですか?

A3:中学2年生のとき、新聞で「テレビドラマ原作募集」のような広告をたまたま見つけたことがあったんです。近所の文房具屋さんで原稿用紙を買ってきて書き始めたものの、途中までしか書けなくて、結局応募できずに終わってしまいました。それきりです。

Q4:子ども時代の読書量が多い人は、きれいな文章を書く方が多いと最近よく思います。読書好きだった人は、ライター未経験の方でも日本語がきれいなんです。自分の中に文章の蓄積があるのかなと思います。あぶちゃんも、ライターとしては未経験だけど、全然文章がねじれないし、とてもきれいに書けていました。

このゼミはどうやって見つけてくれたんですか?

A4:本屋さんで、さとゆみさんの本『書く仕事がしたい』を見つけたのがきっかけです。本を読んで、「さとゆみさんってどんな人なんだろう?」とSNSを見たり、Webメディアの連載記事を読んだりするようになりました。

昨年の夏、さとゆみさんと慶野英里名さんの対談セミナーに参加したんです。お話を聞いて、ライターの仕事に対する具体的なイメージを掴むことができました。本やSNSで追いかけていたさとゆみさんの姿を拝見できたのもうれしかったです。私の中で、さとゆみさんが「書く仕事の第一人者」になりました。

Q5:TOKYO創業ステーションさんのイベントを聞いてくださっていたんですね。ありがとうございます。たしか、「フリーランスライターの生き方」のような話をしました。

一緒に登壇した慶野さんは、「パラキャリ酒場」というトークイベントを開いていて、様々な働き方をしている人を招き、話を聞くような活動をしているんです。今は東京大学の大学院に入り直して、パラレルキャリアの研究をなさっています。それこそ、「パラレルキャリアの第一人者」のような存在です。

慶野さんと私は、上阪徹さんのブックライター塾の同期でした。彼女は同期の中で最年少だったと思います。慶野さんは、先輩たちの書いた文章を読んで「これは敵わない、私は違う道で活躍したほうがいい」と、今のキャリアを歩み始めたそうです。私は、自分で道を切り開いて、新しい職業を作っていった彼女を本当に尊敬しています。彼女は、これから著者として自分の本を書いていくようになる気がするな。

同期同士でコラボできるようになることは、とても幸せです。一緒に学んでいた時間を経て、「お互い頑張ってやってきたね」「一緒にセミナーができるぐらいになったね」と再会できるのはすごくうれしい。あぶちゃんたちも、同期でそういうことができるようになったらいいね。

ゼミを受けてみて、 どうでしたか?

A5:最初の1、2回で、プライドが「ぴしょっ」となりました(笑)。

私の周りには書く仕事をしている人がいなかったので、「ある程度私は書けるほうであろう」という自負心があったんです。でも、いざ飛び込んでみたら、「みんな、すごいうまいじゃん」と驚きました。すでにライターとしてお仕事をしている方、これからライターを目指す方、書く仕事とは別のお仕事をされている方など、ゼミにはたくさんの方がいましたが、皆さんとても上手でした。

さとゆみさんからいただいた「日本語がねじれている」「一文を短くしましょう」「正しい日本語を使いましょう」などの赤字も印象に残っています。「私、正しい日本語なんて一つも知らない!」とワナワナ震えました(笑)。ブログや日記とはちがう、「人に読んでもらう文章を書く」ことをほとんどしてこなかったので、自分がいかにこれまで感覚や小手先だけで文章を書いてきたのか思い知りました。

Q6:1期と2期は、最初それほど赤字を入れていませんでした。でも、何を思ったのか、3期は1、2回目からトップスピードで赤字を入れてしまった(笑)。みんな、まさかの「赤字がいっぱい!」のようなことになったんじゃないのかなと思います。あぶちゃんは、推し原稿でプロ野球観戦のことを書いてくれていましたよね。すごく良い原稿だったけど、きっと何かしらの赤字は入っていたよね。

プライドがぺしゃんと潰れて、そこからはすぐ浮上できましたか?

A6:書くことを勉強するためにゼミに入ったので、今できなくても「そりゃそうだよな」と受け入れて、「うん、頑張りましょうね」と自分に言い聞かせていました。それからは、書くのが楽しいと思ったり、思わなかったりを繰り返していた感じです。

課題でセミナーレポートを書いたとき、さとゆみさんに褒めてもらったのがすごくうれしくて、そこからはまた楽しくなってきました。セミナーレポートは、文字数的にもそんなにエピソードを入れられないから、気に入ったところだけをグッと力を入れて書いたんです。講評でさとゆみさんが「あえて絞って書くことで、映像が際立っていた」というようなことをおっしゃってくださって、「やったじゃん、さとゆみさん褒めてくれた。うれしい!」と舞い上がりました。

単純かもしれませんが、さとゆみさんから愛のある講評をいただいたり、同期のみんなから「よかったよ」とコメントをもらえたりすると、「私もまだまだ捨てたもんじゃないな」と思えてきたんです(笑)。

Q7:あぶちゃんは、言葉選びがいつもすごく面白い。いつも「よくそんな独特な返しが思いつくな」と感心しています。とても瞬発力があって、今までそのスキルを発揮する仕事をしてこなかったのが不思議なくらいです。

私にインタビューしてくれたときも、友達かと思うくらいスルッと入ってきて、うまいなと思いました。あまり緊張していなかったんじゃない?

A7:緊張はしていました。でも、「お話しできるのが楽しみ! お時間いただけてうれしい!」という気持ちが勝っていたと思います。

Q8:そうなんだ。緊張はまるで伝わってこなかったけど、楽しみにしてくれているのはすごく伝わってきました。

でも、あぶちゃん、インタビュー課題は締切に間に合わなかったんだよね。

A8:あのとき、何を書いていいのかわからなくなってしまって、本当に書けなくなってしまったんです。インタビューが終わったあとに想定媒体をもう一度考えて、変更して、「よし、書くぞ!」と思っていたんですけど……。

私は、さとゆみさんが『telling,』で書いていた『Humankind 希望の歴史』についてインタビューでお話を聞いて、それを記事に書こうと考えていたんです。でも、その話をメインにしようとしたら、「どうやってまとめたらいいんだろう?」とすごく悩んでしまって。書いては消し、書いては消しを繰り返しているうちに、締切に間に合わなくなってしまいました。

(※『人は優しい生き物? ずるい生き物? 『Humankind 希望の歴史』著者・ルトガー・ブレグマン氏とお話してきた!【前編】』

Q9:ゼミをサポートしてくれているりかちゃんから、「あぶちゃんがまだ何百字しか書けてないと言っていて、文字数が足りなくても締切で出したほうがいいか、最後まで頑張ったほうがいいか問い合わせが来ています」と連絡があったんです。「じゃあ、最後まで書いてから出すように伝えてもらってもいい?」と、りかちゃんを通してあぶちゃんに伝えてもらいました。でも、そのあともう一回りかちゃんから「あぶちゃん、『お昼までにはお送りします』と言っていたけど、連絡がなくって……。どうする?」と(笑)。りかちゃんには、引き続き待ってもらうようにお願いしました。

締切には間に合わなかったけど、あぶちゃんの原稿はすごく面白かった。『Humankind 希望の歴史』のことを一点突破にして書いた原稿は、とても難しかったと思う。よく頑張りました。書くのに時間がかかるだろうなと思う、深みのある原稿でした。

ゼミで学んだことで、役立っていることはありますか?

A9:大事にしているのは、「誰に、どのように文章を届けるか」ということです。相手はどんな人で、どんな状況で、どんなふうに伝えるのがいいのか、以前より考えられるようになったと思います。それまでも、「相手のことを考えて書こう」という気持ちはあったけれど、さとゆみさんから講義を通して教えてもらったことで、より強く意識するようになりました。届ける人に合わせて形を変えていくことは、仕事や生活などの様々な場面で活かせます。「これ、大事にしよう」とすごく思いました。

Q10:ゼミを受けて、今、改めて書くことを仕事にしてみたい、やってみたいという気持ちはありますか?

A10:書くことを仕事にしたいという気持ちが強くなりました。

ゼミの最終日に聞かせてもらった、さとゆみさんの「地球Aと地球B」の話にすごく感動したんです。

僭越ながら、「地球Aと地球B」について皆さんに説明させていただきます。さとゆみさんは「地球Aと地球Bという2つの地球がある」と仮定してお話をされていたんです。その2つの地球の違いは、さとゆみさんが存在しているかどうか。さとゆみさんは、「自分が文章を書くことによって、私が存在している地球Aのほうが地球Bよりもあったかい世界になったらいいなと思っている」とおっしゃっていました。

私、この話にグッときたんです。自分が文章を書くことで、誰かの心を動かしたり、行動を変えたりすることができたら、しかも、それで世界があったかくなっていったら、めちゃくちゃカッコイイなって。単純な発想かもしれませんが、自分の好きなこと・やりたいことで、誰かにプラスの影響を与えられるって、「なんていいことしかないんだろう!」と思ったんです。

Q11:ありがとうございます。

講師として教えるようになると、それだけライターとして書く時間は減ってしまいます。でも、私が1年に100本原稿を書くより、私が書くことを教えて、講座生のみんながそれぞれ原稿を書いていったほうが、地球は良くなるんじゃないかなと考えるようになったんです。100人、150人、200人と仲間を増やして、それぞれ良い原稿を書いてくれたほうが、地球はもっと優しくなると思うんです。

自分一人が書ける量には限度がある。だから、地球Aを良くする仲間をつくって、一緒に頑張ったほうが、良い場所になるんじゃないかなと、いつも考えています。でも、これは講師をするようになってから自覚的になったこと。だから、それがあぶちゃんに響いてくれたのならすごくうれしいな。

あぶちゃんは、必要以上に落ち込まないし、ポジティブというか、自己肯定感が高いように感じました。前向きだなと思うんだけど、そんなことありませんか?

A11:元々はすごくネガティブでした。社畜だったので、あまり将来の希望も持てなくて。ネガティブオーラを出しているつもりはありませんでしたが、友人からは「ネガティブすぎて、一周回ってポジティブ」と言われるほどでした。

でも、3~4年前、27、8歳の頃に、仲良くなった友人がすごくポジティブだったんです。その子と話していて、純粋にいい子だなと感じました。だんだん影響を受けて、私自身も「どうせだったら楽しく、明るくしていたほうがいいな」と思うようになったんです。マイナス思考に陥りがちだったので、少しずつ思考を変えていこうと意識し始めました。

Q12:それって、どうやったら変えられるんでしょう?

A12:「どうせ私なんて」という言葉を言わないようにしたり、「発する言葉を変える」ことを意識していました。ほかにも、何かに挑戦するとき、堂々と「できます!」とは言えなかったとしても、「私にはできない」と思うのではなく、「まあ、ちょっとくらいならできます」と言ってみたりするようにしていました。

周りの人に対しても、素敵なところや良いところを見つけようと意識していたと思います。以前の私は、「この人、どうせ人生うまくいっていて幸せなんだろうな~」と卑屈なマインドを持っていたんです。でも、ネガティブ虻川フィルターを外して、「普段はニコニコしているけれど、この人だって影で努力しているのかもしれない」「今まで一生懸命頑張ってきたから、今の立ち位置があるのかもしれない」など、自分の思い込みだけでその人を判断しないように気をつけていました。

Q13:大人になってからそんなに変わるものなのかと、今ちょっと静かに感動しています。ネガティブ虻川フィルターを外したから、世の中には結構いい人がたくさんいるって気づけたんだね。

あぶちゃんに『Humankind 希望の歴史』が刺さった理由がわかった気がします。「ゼミが終わってから読みます」と言っていたけど、読み終わった?

A13:まだ1章しか読んでないです。

Q14:もう、早く読んでください(笑)。あぶちゃんにとって、とても良い本だと思う。

ネガティブ虻川からポジティブ虻川に生まれ変わって、今はどうですか?

A14:この1~2年で見える景色が変わって、生きやすくなったように感じています。周囲からも、真の意味で「元気だね」と言われるようになりました。

人に対して「へっ」と卑屈になってしまうところが、勝手に自分自身を苦しめていたんだと気づきました。私は「あの人と違って才能もないし、あれもこれもできない」と思い込んで、足がすくんで動けなくなってしまっていたんです。書くことに対しても、「あのとき挫折したし」「途中で投げ出しちゃうかもしれないし」と、マイナス要素ばかり気にしていました。でも、今は「やってみないとわかんないじゃん!」と、どんどん動けるようになったと思います。

Q15:考え方が変わると、行動する範囲が大きくなりますよね。

私は、先天的スーパーポジティブな人よりも、ネガティブからポジティブに変わった人のほうが世の中を両方の目線で見られるから、アドバンテージがあると思います。

ライターには、時には「物事を疑う」視点が必要になります。「どうせ○○でしょ」という目線は、取材のときにすごく役に立つと思う。なんでもかんでも鵜呑みにするんじゃなくて、「とはいえ、これってこうじゃないですか?」と取材相手に別の角度から切り出せることはすごく大事。相手が話したことを「すごいですね、感動しました!」と全部受け取るのではなくて、ちょっと斜めから「今の話、さっきの話と矛盾していませんか?」と質問する。ネガティブフィルターを持っている人は、こういう質問の仕方ができると思います。

以前、『CORECOLOR』の取材で、あるライターさんのインタビューに同行したんです。彼女が出した企画だったので、基本的には彼女にインタビューをしてもらっていました。でも、そのインタビューのテンポがすごく速かったんです。その人は普段とても深みのある原稿を書いているから、浅い質問でポンポン次に行くようなことはしないと驚きました。

インタビューが終わって、どうしてあんなにテンポの速い質問の仕方をしていたのか、彼女に理由を聞いてみたんです。すると、「もっと本音を話させようと思って、相手が根負けするのを待っていた」と言っていました。「この話は他のインタビューでも答えていますよね、はい次!」とどんどん質問を重ねて、綺麗事ではない本音を漏らすのを待っていたそうなんです。私、それを聞いて爆笑しちゃって。彼女はしっかりネガティブフィルターをかけて質問をしていたんです。その結果、めちゃくちゃ面白い話が聞けました。

あまりにも彼女のテンポが速いから、私が1回口を挟んでちょっとだけスローダウンしたところでも、それはそれで深い話が聞けたんだけど、「北風と太陽」のような感じの取材でした。すごく良いコンビネーションが組めたなと思って、楽しかったです。

私は基本的に全ての話を性善説で聞いてしまうから、「それって本当?」と疑いながら聞くことも、時には大事なんだなと彼女から学びました。彼女は彼女で、私のインタビューを聞いて「こんなに素直に聞くのか」と思ったらしいのですが。

でも、あぶちゃんは両方の要素を持っているから、一人で「北風と太陽」ができるような気がしました。

あぶちゃんは、これからどんなジャンルの原稿を書いていきたいんでしょう?

A15:今、どうしようかと悩んでいるところなんです。人の話を聞くことが好きなので、インタビューをして、聞いた話を広めていくことができたらいいなと考えています。

とりあえず、知り合いに「仕事をください!」と言いまくっています。編集寄りの仕事をしている友人がいるので、この前会ったときに仕事がないか聞いてみました。そうしたら、「まずポートフォリオを持ってきて」と言われたんです。早くポートフォリオを制作しなければ……。

Q16:知り合いに「仕事をください」と言うのが、一番早いと思います。必ず仕事がもらえると思う。

あぶちゃん、すごくインタビュー向いていそう。もし、インタビューライターをやりたいなら、2、3人取材をしてみて、2000字くらいの原稿を書いてみるといいと思います。著名人にインタビューする必要はなくて、「人から話を聞いて、文章が書ける」ことがわかるような原稿を用意しておくんです。お友達でもいいけど、何かのお仕事をしている人がいいかな。「なぜこの会社に入ったんですか?」というようなリクルート系のインタビュー記事など、世の中には一般の人にインタビューする仕事がたくさんありますよ。

私はファッション誌のライターからブックライターになるとき、noteで『ライター100人押しかけ問答』という企画を行っていました。なぜその企画を行ったのかというと、3つ理由があります。

1つ目は、書籍に関わっているライターさんがどんなふうに仕事をしているのか、取材の体でいろいろ聞いてみようと思ったんです。雑誌以外の場所でライターとして食べていくにはどうしたらいいのか知りたかったから。わざわざセッティングしたというより、一緒にごはんを食べているときにいろいろ質問させてもらいました。

2つ目は、そこで聞いた話をnoteに書き起こすことで、インタビューの実績にしようと思ったんです。書籍の編集者さんから「取材の経験はありますか?」と聞かれたときに、そのnoteを実績としてお見せして、「人の話を聞いて、まとめることができます」とアピールしようと思っていました。
3つ目は、「さとゆみ、書籍の仕事がやりたいんだな」と周囲に知ってもらうためです。実際にnoteを読んだ編集者さんから「ファッション誌辞めたんだね。この仕事どう?」と声をかけてもらったことがあります。インタビューを受けてくれた4名からも、お仕事をいただくことができました。あの企画は、「お仕事をください」というポートフォリオなので、一石三鳥くらいを狙って書いていました。

(※『ライターさとゆみの「ライター100人押しかけ問答」』

あぶちゃんはnoteをやっているんだったら、インタビュー原稿をnoteに置いておくのもいいと思うな。編集者さんに、あぶちゃんが書ける人であるとわかってもらうことが大事だから。インタビュー記事でも、いろんな切り口があるといいかもしれない。一般の方を面白く書けるんだなとわかれば、評価してもらえるはずです。

インタビューの実績にもなるし、ポートフォリオにもなるし、自分の練習にもなるし、ぜひやってみてください。

A16:やってみます。ポートフォリオの件で、もう一つ質問させてください。

私は、今までお金をいただいて文章を書く経験をしたことがないので、ポートフォリオに何を載せたらいいのか、まだよく掴めていないんです。ゼミの卒業生のポートフォリオ一覧にもざーっと目を通しましたが、そのうえで「自分は何を書いたらいいんだろう」と悩んでしまって。

Q17:あぶちゃんは、物流、化粧品、ITと3つ業界を知っているから、それが強みになると思います。事務の仕事は会社の全体の流れが見えやすいし、業界の相場観をすでに掴めている気がします。3つの業界の相場観がわかるのはすごく強みになると思う。

中でも、物流とITはまだライターさんが少ない業界なので、そこをとっかかりに進めていくといいかもしれません。

あぶちゃんが書ける人であることは、一緒に仕事をすれば編集者さんもすぐにわかると思う。だから、まずは最初だね。1~3本目までの仕事をどう取っていくか。5ヶ所くらい仕事をしたら、2、3ヶ所はリピートで仕事がもらえるようになるんじゃないかな。あぶちゃんはなんでも楽しめそうな感じがするから、最初は選り好みせずに、どんどんやってみたらいいと思います。もうそんなに書く練習をしなくてもいいと思う。インタビューもできるし、原稿も書けると思うから、どんどん実践でやっていけばいいんじゃないかな。

ほかに、今日話しておきたかったことはありますか?

A17:せっかくなので、私がゼミを受けてよかったなと思ったことを伝えさせてください。

「さとゆみさんから学びたい」とゼミに申し込んだ私の判断は、間違っていなかったと思いました。講義の内容はもちろん、ゼミ全体の空気感がすごく心地良かったんです。

私は、これまで「書くことって孤独だな」と思っていました。パソコンの前で一人でカチャカチャ書いて、インターネットに小説やブログを載せたとしても、100%リアクションが返ってくるわけではない。書いていて意味があるのかなと、自信がなくなることもありました。

でも、そんなときに、さとゆみさんや同期のみんなからのコメントがすごく支えになったんです。今までは、自分が書いた文章を他の人に読んでもらうことがあまりなかったので、「私の文章って、ここが面白いんだ」「こんなふうに読んでくれたんだ」と知れて、すごく励まされました。さとゆみさんや同期のみんなが読んでくれることが、とてもありがたかったんです。ゼミを受講してよかったと思いました。

Q18:同期の存在は心強いよね。同期からのコメントは、みんなも励みになっていたんじゃないのかなと思います。

今回、あぶちゃんは「誰かに文章を読んでもらう経験」をお金を出して買ってくれたけど、ライターになったら、お金をもらいながらその経験ができるようになります。書くことは、手紙を入れた瓶を海に投げるように感じるときがあると思う。今までは太平洋くらい広い海に投げていたかもしれないけれど、これからはもう少しセグメントされた小さな池くらいの場所に投げることになる。だから、必ず読んでもらえます。これからは、お金をもらいながら、ちゃんと読者さんがいるところに投げられるようになるんです。

一方で、プロのライターになると、読者さんの感想もうれしいけど、一周回って、自分の評価だけが大事になるときがくると思います。「しっかり書き切れた」という充実感もあれば、「褒められたけど、全然納得いっていない」という悔しさだったり、書き続けていくと自分の評価軸も出てくるようになる。それがわかるようになると、もっともっと楽しくなると思います。

1年後ぐらいに、またあぶちゃんと話せたらいいな。

A18:ありがとうございます。ぜひお話しさせてください。1年後までにどうなっているか目標を立てて、精一杯やってみます。さとゆみさんにたくさん良いご報告ができるように頑張ります!


(構成・文/玄川 阿紀)

プロフィール
虻川なつみ(あぶかわ)

埼玉県出身。事務職として、10年間で3社を経験。趣味は読書、プロ野球観戦など。
ブログ執筆や小説執筆をきっかけに、文章を書くことに魅了を感じる。さとゆみさんの書籍「書く仕事がしたい」をきっかけに、ライターになることを決意。『さとゆみビジネスライティングゼミ』を受講後、インタビューの面白さに気付き、インタビューライターを目指す。
note:https://note.com/bonyari82000